top page>インプラントの利点・欠点 「インプラント治療とは」窪田歯科医院へ  第3の歯

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インプラントの利点・欠点 「インプラント治療とは」


What's Implant Reconstructive Dentistry?

1930年代に歯科用インプラントが最初に臨床応用されてから、すでに70年以上が経過しました。その間にインプラントの素材と術式は改良を重ね、1970年代後半からチタンと骨が直接結合するタイプのインプラントが使用されるようになり、実用的で信頼性の高いインプラントが患者さんに用いられるようになりました。それからおよそ40年が経過したことになりますが、見方を変えれば、どんな優れたインプラント専門医でも、40年以上経過した自分の臨床例を持っていないことになります。現代の歯科臨床はインプラントなくして語れないといっても過言ではありません。インプラントは歯を失った患者さんの治療計画を決定的に有利に改善し、取り外しをしなければならない入れ歯では味わえない福音を患者さんにもたらします。急速に普及し市民権を得た観のあるインプラント補綴ですが、どんな治療法も、専門家から正確な情報を得た上で、その利点と欠点を正しく理解して、患者さんが自らの意志で最終的にその治療法を受けるかどうかを決めなければなりません。インプラントを希望されて歯科診療室を訪れる患者さんは日々増えていますが、気がつくのはインプラント治療がまるで魔法であるかのような、過剰な期待と幻想を抱いている方がほとんどであることです。

歯科治療におけるインプラント治療は、火傷をさせないように注意しながら顎の骨にドリルで正確に孔を掘り、そこにチタンまたは表面がアパタイトなどで覆われたチタンでできた人工歯根を埋め込み、骨がチタンと人工歯根の隙間を埋めるのを待ってから、冠をかぶせる治療を指します。普通手術をしてからインプラントが骨に結合するまで、2〜4ヶ月ほど待つのが普通ですが、最近は抜歯と同時にインプラント手術を行う方法や、ネジ状のインプラントを顎の骨に植え込んだその日に、仮の冠をかぶせてしまう特殊な方法も試されるようになってきました。どんな治療方法にも、その適応症とやってはいけない禁忌症があるようにインプラント治療にも得意、不得意な場合があります。まず血液疾患、免疫力が著しく低下した方、化学療法を受けている方、精神神経症の方のように、他の一般外科手術でもリスクを伴う患者さんは避けるべきでしょうし、成長期の若年者には普通行いません。進行した骨粗鬆症、重い糖尿病や心臓病、重度の高血圧症、コントロールできない強い歯ぎしり、過労と睡眠不足の続く方、口腔衛生状態が悪く術後の長期的な定期的清掃に通院できない方なども行わないほうがいいでしょう。ヘビースモーカーも成功率がある程度低くなる可能性があります。

長野赤十字病院口腔外科副部長 清水武 先生監修)

(寝たきりや歩行困難で訪問歯科診療をご希望の方は33-2354までお問い合わせください。 松本市歯科医師会)