№109「不注意な失敗をどうやって防ぐか?」
本文へジャンプ 9月4日 
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           №109「不注意な失敗をどうやって防ぐか?」
         




近年、脈拍の変化や視線の変化をモニターすることにより、居眠り運転を防止する装置が開発されているそうですが、これを応用すれば、退屈な会議や昼下がりの学会でつい居眠りをしたい誘惑に駆られるときに役に立つかもしれません。

歯科診療中に眠気に襲われるということはまずありませんが、家内の話を聞いているはずが、つい居眠りをしてしまい顰蹙を買ってしまうことがよくあります。
 こんなときに、腕時計型のモニターで警告の電気ショックを与えてくれるような装置が市販されれば、家庭や社会の平和が保たれるのではないでしょうか?

最近、携帯型の脳波計と連動した過失防止マシーンのアイディアが発表されていますので、ご紹介しましょう。

<誰でも単調な仕事が続けば不注意による間違いを起します。

でも集中力や脳の活動性が失われることが過失の唯一の原因というわけではありません。

実際に、仕事を続けようと努力するときに、脳の一定の領域に起る活動パターンを利用すれば、これから起る失敗をひょっとしたら防ぐことができるかもしれません。

ノルウェーのバーゲン大学の研究者達は、ファンクショナルMRIを用いて、単純で退屈な仕事(コンピュータースクリーンに映る矢印の正しい向きを決定するという)に従事する人の脳の活動パターンを研究しました。

課題を処理する脳領域のネットワークの活動性は、過失が起る前に減少し、そしてその人が一度失敗を見つけると、またふたたび、注意力が復活して活動性が高まりまることが分っています。

主任研究員のTom Eicheleによれば、これから起る不注意な過失を予想する次のステップは、脳波 ElectroEncephaloGraphy ;EEGの測定であり、ポータブルでワイヤレスな脳波計の開発が過失予測をより実践的で使いやすいものにするとしています。

この研究は本年の4月22日に、全米科学アカデミー会報に掲載されたものです。>

(以上、Scientific American july2008 p19より引用)
近未来の恐妻家は、脳波を測定するヘッドキャップを強制着用させられているかもしれませんね。