ケトライド系経口抗菌剤 テリスロマイシン ケテック錠300mg
適応

歯性感染症 歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎
呼吸器感染症 咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染

耳鼻咽喉科領域感染症 副鼻腔炎
働きと特徴

特徴:歯性感染症に優れた臨床効果を示す。
歯性感染症の主要原因菌である口腔レンサ球菌及び嫌気性菌
(ペプトストレプトコッカス属、プレボテラ属)に対し、強い抗菌力を示す。
唾液、歯肉、抜歯窩貯留液への良好な移行性を示す。
歯性感染症に対する有効率は91.7%
使用上の注意 副作用情報:抗生物質服用後に意識失う 厚労省が注意呼び掛け

禁忌:1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
    2.ピモジドまたはシサプリドを投与中の患者


用法・用量:

歯性感染症に対する投与期間は3日間

通常、成人にはテリスロマイシンとして600mgを1日1回、5日間投与する。なお、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎には、1日1回、3日間経口投与とし、肺炎には症状により1日1回最大7日間まで投与できる。
1. 高度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者では、1日1回、300mgへの減量を考慮すること。血液透析患者に対しては、透析日には通常用量600mgを透析終了後に投与し、透析日以外は1日1回、300mgへの減量を考慮する。
2. 本剤の使用に際しては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認すること。
3. 6日目以降(歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎の場合は4日目以降、肺炎の場合は8日目以降)においても臨床症状が不変もしくは悪化の場合には、医師の判断で適切な他の薬剤に変更すること。
高齢者への投与:血中濃度が高くなる。1日1回、300mgへの減量を考慮すること。
妊婦、産婦、授乳婦への投与:
(1) 妊婦または妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中の投与に対する安全性は確立していない。生殖に及ぼす影響の検討において、ラットにおける生殖細胞の成熟低下、受胎率の低下傾向がみられ、ラット及びウサギにおける胎児器官形成期投与試験において、母体毒性が見られる高用量投与時では、胎児体重の低値、胎児の化骨遅延等の異常のわずかな増加に加え、無尾・短尾の外表異常、泌尿器系の発育異常が認められた。
(2) 授乳中の婦人には投与しないこと。やむを得ず、投与する場合には授乳を避けさせること。(ラットで乳汁中に移行する)
小児への投与:安全性が確立していない。
過量投与:急性過量投与例には嘔吐または胃内洗浄により胃内薬物の除去を行なう。充分な水分補給を行い、血液電解質(特にカリウム)を管理すること。また心電図モニタリングを行なうこと。

副作用情報:

肺炎や気管支炎に伴う感染症などに使う製薬会社、アベンティスファーマの抗生物質テリスロマイシン(販売名ケテック錠300ミリグラム)の服用後に意識を失ったとする報告が6例あり、厚生労働省は21日、医薬品・医療用具等安全性情報を出し注意を呼び掛けた。メーカーには、重大な副作用として薬剤の添付文書に記載するよう指示した。

 同省によると、テリスロマイシンが販売された昨年12月以降、50−80代の男女6人の報告例があった。詳しい因果関係は不明だが、服用後に意識を失い、50代女性は運転中に小川に転落、50代男性は対向車と衝突し軽傷を負った。トイレで倒れた人や、2回にわたり服用4時間後に倒れた人もいた。
 他に5人の肝機能障害が報告されたため、同省は同様の注意喚起措置をとった。平成17年2月20日

その他の副作用:

自覚的・他覚的副作用発現率は18.4%、投与中止は1.3%

副作用:下痢4.6%、軟便2.6%、肝機能異常2.0%、頭痛1.8%、腹部膨満1.5%、嘔気・悪心0.98%

重大な副作用:

1)アナフィラキシーショック 頻度不明 観察を充分に行い、蕁麻疹、血管浮腫等の異常が認められたら、投与を中止し、適切な処置を行なう。
2)重症筋無力症の悪化 頻度不明
3)意識消失 頻度不明 自動車の運転は禁止するように必ず伝える。
4)肝機能障害、黄疸 頻度不明 AST(GOT)、ALT(GPT)、AL-Pの著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがある。
5)その他の副作用 口内炎、食欲不振、めまい、不眠、傾眠、錯視、錯感覚、味覚異常、霧視、心房性不整脈、徐脈、筋痙攣、低血圧、ほてり、顔面浮腫、末梢性浮腫、膣カンジダ症