エピネフリン epinephrineアドレナリンadrenalineエピレナミンepirenamine
出典:今日の治療薬2005 南江堂 歯科における薬の使い方2003-2006 デンタルダイヤモンド社 
今日の治療指針 医学書院
カテコラミン系昇圧薬及び局所麻酔薬添加薬 商品名 備考
エピネフリン添加の歯科麻酔薬
カートリッジ製剤
1.歯科用キシロカイン・カートリッジ1.8ml(エピネフリン12.5μg/ml)デンツプライ三金
2.リグノスパン・カートリッジ1.8m (エピネフリン12.5μg/ml)日本歯科薬品
3.キシレステシンAカートリッジ1.8ml (エピネフリン12.5μg/ml)白水貿易
4.オーラ注カートリッジ1.0、1.8ml(エピネフリン13.7μg/ml)昭和薬品化工
5.シタネスト歯科用カートリッジ1.8ml(エピネフリン3.3μg/ml
デンツプライ三金

バイヤル製剤
キシロカイン注射液0.5% 20.100ml (エピネフリン10μg/ml)アストラゼネカ
キシロカイン注射液1% 20.100ml (エピネフリン10μg/ml)アストラゼネカ
キシロカイン注射液2% 20.100ml (エピネフリン12.5μg/ml)アストラゼネカ

ボスミンBosmin
(第一製薬)
注射:1mg 1ml
液:0.1%


エピクイックEpiquick(テルモ)
注射シリンジ0.1% 1ml
特徴 α>β
α作用  血管収縮作用

β1作用 心機能亢進
β2作用 血管拡張作用
ただしα作用がβ作用より強い非選択的α作用薬である。

副腎髄質ホルモン。強力な末梢血管収縮作用を持ち、脳の血流と冠状動脈の血流を増大させる。
@血中に移行すると、β1刺激により、 心筋の収縮力増大と心拍数増加⇒心筋の酸素消費量は増加する。
Aα1刺激により皮膚や粘膜の血管収縮が起こる。(⇒局所麻酔薬の作用時間が長くなる。)
骨格筋血管はβ2により拡張する。
B心収縮力増強により収縮期圧の上昇があるが、骨格筋血管はβ2により拡張するので、
平均血圧はほとんど変化しない。
Cβ2作用により平滑筋が拡張。気管支の拡張が起こり、瞳孔は散大する。
Dβ2作用により肝臓ではグリコーゲンが分解し、嫌気的解糖が進む。その結果、血糖値が上昇する。
Eβ1作用により脂肪細胞では脂肪の分解が進む。新陳代謝が亢進する。

適応症 
@局所麻酔薬の作用延長
A百日咳や気管支喘息の気管支痙攣の緩解
B手術時の局所出血の止血


禁忌
@ハロゲン含有吸入麻酔薬 ⇒これらの薬剤は,心筋のアドレナリン受容体の感受性を亢進させるので、 頻脈,不整脈,場合によっては心室細動や心停止を起こすことがある。


Aブチロフェノン・フェノチアジン系薬  
Bα遮断薬 (高血圧や排尿障害に用いる)
⇒低血圧を起こす。
Cカテコラミン製剤 
(イソプロテレノール(イソメニール、プロタノール))動悸や不整脈の副作用がでやすくなります。
Dアドレナリン作動薬
 ⇒狭眼角や前房が浅く急激な眼圧上昇


併用薬の注意
@気管支拡張β刺激薬 ⇒ 不整脈が起こり、場合によっては心停止する危険性がある。
A三環系抗うつ薬 イミプラミンなど MAO阻害薬 ⇒  これらの薬剤は,アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを阻害し,受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させ,アドレナリン作動性神経刺激作用を増強させる。血圧上昇
B非選択性β遮断薬 プロプラノールなど ⇒ これらの薬剤のβ受容体遮断作用により,エピネフリンのα受容体刺激作用が優位になり,血管抵抗性を上昇させる。  
C抗精神病薬ブチロフェノン・フェノチアジン系薬 ⇒これらの薬剤のα受容体遮断作用により,エピネフリンのβ受容体刺激作用が優位になり,過度の血圧低下があらわれることがある。
D分娩促進薬、オキシトシン等、麦角アルカロイド類、エルゴメトリン等 ⇒併用により血管収縮作用が増強され、血圧上昇を招く。
E甲状腺製剤 ⇒ 肝不全発作

 重大な副作用 注射の場合 肺水腫、呼吸困難、心停止

 その他の不整脈 心悸亢進、不整脈、頭痛、発疹、悪心・嘔吐