Amolin アモリン細粒10% アモリンカプセル125 250 / アモキシシリン amoxicillin:AMPC / 合成ペニシリン製剤/細胞壁合成阻害

     
本項は一部を除いてアモリン添付文書を参照。
本文へジャンプ 成分一致薬品
サワシリン細粒、
サワシリンカプセル
サワシリン状250
 
トピック:Archives of Pediatric and Adolescent Medicine (2005) 159: 943-948.
生後3〜8ヶ月時ののアモキシシリン使用と斑状歯に関連性?

ミズーリ大学を中心とした研究班は、幼児の中耳炎の治療に頻繁に使われるアモキシシリンの使用と、
歯へのフッ素沈着の間の関連性を示唆する調査結果を発表した。同調査では、対象幼児579名のうち、1歳までに75%、2歳8カ月までに91%が、ほとんどの場合中耳炎の治療のためにアモキシシリンを使用していた。これらの幼児が8〜10歳時にフッ素沈着発生について調べたところ、24%の幼児で上の前歯に発生が見られた。特に生後3〜6カ月のアモキシシリン使用はフッ素沈着の危険性を顕著に上昇させていた。

アモキシシリン amoxicillin:AMPC
禁忌 (1) 本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
(2) 伝染性単核症のある患者
原則禁忌 (次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)
本剤の成分又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果 <適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、大腸菌、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌、梅毒トレポネーマ
<適応症>
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染
乳腺炎
骨髄炎
咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染
膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、淋菌感染症、梅毒
子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎
涙嚢炎、麦粒腫
中耳炎
歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎
猩紅熱
アモキシシリンとして、通常成人1回250mg(力価)を1日3〜4回経口投与する。
小児は1日20〜40mg(力価)/kgを3〜4回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
<適応菌種>
本剤に感性のヘリコバクター・ピロリ
<適応症>
胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症
通常、成人にはアモキシシリンとして1回750mg(力価)、クラリスロマイシンとして1回200mg(力価)及びランソプラゾールとして1回30mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。
用法・用量に関連する使用上の注意 1. 高度の腎障害のある患者には、投与量・投与間隔の適切な調節をするなど慎重に投与すること。
2. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最少限の期間の投与にとどめること。
1.慎重投与 (1) セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
(2) 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
(3) 高度の腎障害のある患者[高い血中濃度が持続することがある。]
(4) 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
(5) 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
2.重要な基本的注意 (1) ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと。
(2) 本剤を胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症に用いる際には、クラリスロマイシン、ランソプラゾールの添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重大な副作用等の使用上の注意を必ず確認すること。
3.副作用 胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症を除く感染症:市販後の副作用の頻度調査(1978年8月時点)では525例中23例(4.4%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症:承認時までに国内で行われた試験では430例中217例(50.5%)に、外国で行われた試験では548例中179例(32.7%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。
@重大な副作用 1) ショック、アナフィラキシー様症状(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、眩暈、便意、耳鳴、発汗、喘鳴、呼吸困難、血管浮腫、全身の潮紅・蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2) 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3) 急性腎不全等の重篤な腎障害(0.1%未満)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4) 顆粒球減少(0.1%未満)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5) 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(0.1%未満)があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
6) AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
Aその他の副作用 胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症を除く感染症の場合
0.1〜5%未満 発熱、発疹、蕁麻疹 下痢、悪心、食欲不振
0.1%未満 好酸球増多、貧血 、AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇
口内炎、大腸炎(カンジダ、非感受性のクレブシエラ等による)
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症の場合 5%以上 軟便(13.7%)、下痢(9.1%)
1〜5%未満 味覚異常、腹部膨満感 AST(GOT)、ALT(GPT)、AL-P、LDH、γ-GTP、ビリルビンの上昇 好中球減少、好酸球増多、白血球増多、貧血 発疹 トリグリセライド、尿酸の上昇、総コレステロールの上昇・低下、尿蛋白陽性、尿糖陽性

1%未満 悪心、嘔吐、腹痛、便秘、口内炎、舌炎、口渇、胸やけ、胃食道逆流、食欲不振 血小板減少 そう痒 頭痛、眠気、めまい、不眠、しびれ感、うつ状態 倦怠感
4.高齢者への投与 次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

(1) 高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
(2) 高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。なお、動物試験(ラット)において、アモキシシリン(500mg/kg/日)、クラリスロマイシン(160mg/kg/日)及びランソプラゾール(50mg/kg/日)を併用投与すると、母動物での毒性の増強とともに胎児の発育抑制の増強が認められている。]

ヘリコバクター・ピロリの除菌判定上の注意: ランソプラゾール等のプロトンポンプインヒビターやアモキシシリン、クラリスロマイシン等の抗生物質の服用中や投与終了直後では、13C-尿素呼気試験の判定結果が偽陰性になる可能性があるため、13C-尿素呼気試験による除菌判定を行う場合には、これらの薬剤の投与終了後4週以降の時点で実施することが望ましい。
過去35年間に発表された47試験(合計被験者数11,426人)をメタ解析した結果「小児の連鎖球菌性咽頭炎の治療には、ペニシリンやアモキシシリンといった古い抗生物質の長期投与よりも新しいセファロスポリンの短期投与が効果がある」という報告。ペニシリンの25%、アモキシシリンの18%が小児の咽頭炎に無効。原因はβラクタマーゼ産生耐性菌。