アセトアミノフェン カロナール錠200 Calonal カロナール細粒20%
錠剤添加物:結晶セルロース,部分アルファー化デンプン,ポリビニルアルコール,ステアリン酸マグネシウム,香料
適応

効能・効果
1.頭痛,耳痛,症候性神経痛,腰痛症,筋肉痛,打撲痛,捻挫痛,月経痛,分娩後痛,がんによる疼痛,歯痛,歯科治療後の疼痛

2.下記疾患の解熱・鎮痛 急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
働きと特徴

特徴:薬効薬理
アセトアミノフェンは,アセトアニリド又はフェナセチンをヒトに投与したときの主要代謝物で,その解熱鎮痛効果の本体と考えられている。
アセトアミノフェンの作用機序は,視床下部の体温中枢に作用し,熱放散を増大させ解熱作用を示す。
また,体温中枢に関与しているプロスタグランジンの合成阻害はアスピリンと同程度とされているが,末梢におけるプロスタグランジンの合成阻害はアスピリンに比べて極めて弱いという。
使用上の注意 

重要な基本的注意

1.解熱鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
2.急性疾患に対し本剤を用いる場合には,次の事項を考慮すること。
(1).疼痛,発熱の程度を考慮し投与すること。
(2).原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。
(3).原因療法があればこれを行うこと。
3.患者の状態を十分観察し,副作用の発現に留意すること。過度の体温下降,虚脱,四肢冷却等があらわれることがあるので,特に高熱を伴う小児及び高齢者又は消耗性疾患の患者においては,投与後の患者の状態に十分注意すること。
4.感染症を不顕性化するおそれがあるので,感染症を合併している患者に対して用いる場合には適切な抗菌剤を併用し,観察を十分行い慎重に投与すること。
5.他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
6.高齢者及び小児には副作用の発現に特に注意し,必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。

用法・用量:

効能・効果(1)の場合: 通常,成人にはアセトアミノフェンとして1回0.3〜0.5g,1日0.9〜1.5g(カロナール錠として1回1.5〜2.5錠,1日4.5〜7.5錠)を経口投与する。なお,年齢,症状により適宜増減する。

効能・効果(2)の場合: 通常,成人にはアセトアミノフェンとして,1回0.3〜0.5gを頓用する。なお,年齢,症状により適宜増減する。ただし,原則として1日2回までとし,1日最大1.5gを限度とする。また,空腹時の投与は避けさせることが望ましい。

禁忌


禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.消化性潰瘍のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
2.重篤な血液の異常のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある。]
3.重篤な肝障害のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある。]
4.重篤な腎障害のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある。]
5.重篤な心機能不全のある患者[循環系のバランスが損なわれ,心不全が増悪するおそれがある。]
6.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
7.アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられる。]

副作用情報:
発現部位等 頻度不明 0.1%〜5%未満 0.1%未満
血液 チアノーゼ
顆粒球減少,血小板減少,血小板機能低下(出血時間の延長)等
消化器 悪心・嘔吐,食欲不振等
その他 過敏症注


妊婦,産婦,授乳婦等への投与:

1.妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので,妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。
2.妊娠末期のラットに投与した実験で,弱い胎仔の動脈管収縮が報告されている1)。


重大な副作用:

1.ショック(頻度不明),アナフィラキシー様症状(頻度不明):ショックやアナフィラキシー様症状(呼吸困難,全身潮紅,血管浮腫,蕁麻疹等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
2.皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(頻度不明),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)(頻度不明):皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
3.喘息発作の誘発(頻度不明):喘息発作を誘発することがある。
4.肝機能障害(頻度不明),黄疸(頻度不明):肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。

相互-慎重投与
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リチウム製剤 他の非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン,イブプロフェン等)で,
リチウムとの併用によりリチウムの血中濃度が上昇し,リチウム中毒を呈したとの報告がある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤が腎のプロスタグランジン合成を抑制することにより,炭酸リチウムの腎排泄が減少し,血中濃度が上昇すると考えられている。
チアジド系利尿剤 他の非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)で,チアジド系利尿剤の作用を減弱することが報告されている。 非ステロイド性消炎鎮痛剤が腎のプロスタグランジン合成を抑制し,水・ナトリウムの貯留が生じるため,利尿剤の水・ナトリウム排泄作用に拮抗すると考えられている。
アルコール アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。 アルコールによりアセトアミノフェンから肝毒性を持つN−アセチル−p−ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。